親の介護が必要になる前に準備しておきたいこと7選|元気なうちに始める備えを整理

親の介護に早めに備えるイメージのアイキャッチ画像。ノートや眼鏡、マグカップのある落ち着いた室内で、元気なうちに始める介護の備えという文字が白帯の上に配置されている。

親がまだ元気でも、介護のことがふと気になり始める時期があります。けれど、何から備えればよいのかは案外わかりにくいものです。この記事では、介護が必要になる前に少しずつ整えておきたい準備を、7つに分けてやさしく整理します。

介護が必要になる前の準備は、元気なうちほど進めやすい

親の介護というと、急に始まるもののように感じるかもしれません。ですが実際には、その前の段階で少しずつ備えておくことで、いざというときの慌ただしさや家族の負担をかなり減らしやすくなります。

親のことは、何か起きてから慌てて考えるより、元気なうちに少しずつ話したり確認したりしておくほうが、あとで落ち着いて対応しやすくなります。介護の準備というと重たく聞こえるかもしれませんが、最初から大きな決断をする必要はありません。今の暮らしを把握し、困りごとの芽を早めに見つけることから始めれば十分です。

介護が必要になる前に準備しておきたいこと7選

ここでは、介護が始まる前に確認しておきたいことを7つに分けて整理します。全部を一気にやろうとしなくて大丈夫です。できるところからひとつずつ進めていくことが、いちばん無理のない備えになります。

今の暮らしぶりを把握しておく

まず大切なのは、親が今どんな暮らし方をしているかを知ることです。食事はきちんと取れているか、買い物は一人でできているか、掃除や洗濯に無理はないか、外出の回数が急に減っていないかといったことは、介護の前触れに気づく手がかりになります。

離れて暮らしていると、親は元気そうに見えても、日々の細かな変化まではわかりにくいものです。電話の様子や家の中の片付き具合、歩く速さ、物忘れの増え方など、気になる点を少し意識して見ておくと、あとから振り返るときにも役立ちます。

通院先・薬・持病の情報を整理しておく

体調が急に変わったとき、家族が困りやすいのが医療情報です。どこの病院に通っているのか、どんな薬を飲んでいるのか、持病はあるのかを、あらかじめわかる形にしておくと安心です。

お薬手帳の置き場所、かかりつけ医の名前、診察券の保管場所なども、わかるようにしておくと役立ちます。本人にとっては当たり前の情報でも、家族には意外と見えにくいものです。紙のメモでも小さなノートでもよいので、ひとまず家族が確認できる形があるだけでも違います。

介護保険の基本だけは早めに知っておく

介護が必要になってから初めて介護保険を知ろうとすると、仕組みが複雑に感じられやすくなります。まだ使う段階でなくても、介護保険とはどんな制度か、相談先はどこか、要支援と要介護はどう違うのかといった基本だけでも早めに知っておくと、いざというときに落ち着いて動きやすくなります。

親の介護を考え始める時期そのものに迷っている場合は、まず 親の介護はいつから考える?元気なうちに備えたいことをわかりやすく整理 から読むと、今回の準備項目がよりつかみやすくなります。

制度を細かく覚え込む必要はありません。まずは、介護が必要になったときに市区町村への申請や相談が出発点になること、地域包括支援センターが身近な相談窓口になることを知っておくだけでも十分です。詳しくは、厚生労働省の介護保険制度の概要も確認してみてください。

家の中の危ない場所を見直しておく

介護というとサービス利用を思い浮かべがちですが、その前に見直しやすいのが住まいの安全です。転倒しやすい段差、暗い廊下、滑りやすい浴室、物が多い通路などは、早めに整えておくほど効果があります。

大がかりな工事でなくても、足元の物を減らす、よく使う物を高い場所に置かない、照明を明るくする、手すり設置を検討するなど、小さな工夫から始められます。親にとっては住み慣れた家でも、年齢を重ねると少しずつ危ない場所が増えていくことがあります。

家族で役割分担の話し合いをしておく

いざ介護が始まると、誰が通院に付き添うのか、誰が手続きや連絡をするのか、お金の管理はどうするのかが曖昧なまま進みやすくなります。その状態が続くと、一人に負担が偏ったり、家族の間でもめたりしやすくなります。

まだ本格的な介護が始まっていない時期こそ、家族で一度だけでも役割の話をしておくと、その後がかなり違います。完璧な分担を決めなくても、連絡役は誰か、近くに住む人と遠方の人で何を分けるか、といった大まかな整理だけでも十分です。

お金や大事な書類の置き場所を確認しておく

介護が必要になると、保険証、年金関係の書類、通帳、印鑑、公共料金や契約書など、確認したいものが一気に増えます。ところが、その置き場所が家族にわからないままだと、必要な場面で探し回ることになりがちです。

通帳の中身を細かく見ることより先に、まずは何がどこにあるかを親本人と一緒に確認しておくことが大切です。無理に全部を開示してもらおうとせず、医療や介護の場面で家族が困らない範囲から整えていくと、親にも受け入れてもらいやすくなります。

相談先を先に知っておく

介護の場面では、家族だけで抱え込まないことがとても大切です。けれど、困ってから相談先を探し始めると、どこに連絡すればよいのかわからず、かえって気持ちが焦ってしまうことがあります。

そのため、住んでいる地域の地域包括支援センターや市区町村の高齢福祉窓口など、まず最初に相談できる場所だけは先に知っておくと安心です。実際に相談するほどではない段階でも、いざとなったらここに聞けばよいという見通しがあるだけで、気持ちはだいぶ落ち着きます。

準備を進めるときに気をつけたいこと

介護の備えは大切ですが、進め方を急ぎすぎると、親子の関係がぎくしゃくしてしまうことがあります。ここでは、準備を前向きに進めるために気をつけたいことを整理します。

一度に全部やろうとしない

介護の準備は項目が多いため、真面目な人ほど一気に進めたくなるものです。ですが、親にとっては急に生活を点検されるように感じられることがあります。ひとつ話したら、次は少し時間をあけるくらいの進め方のほうが、結果として受け入れてもらいやすくなります。

親を管理するような言い方をしない

子ども側は心配から動いていても、親には監視されたように聞こえてしまうことがあります。できていないことを指摘するより、これからも安心して暮らすために一緒に整えたい、という言い方のほうが伝わりやすいものです。

年齢を重ねると、心配してくれる気持ちはありがたくても、急にあれこれ決められることには戸惑いやすいものです。正しいことを並べるより、困ったときに助かるよう今のうちに少し確認しておこうか、とやわらかく声をかけるほうが受け止めてもらいやすくなります。

家族のうち一人で抱え込まない

親のことを一番気にしている人が、つい全部引き受けてしまうことがあります。けれど、介護の備えは長く続く話になりやすいため、最初から一人で抱え込む形にしないことが大切です。小さなことでも共有しておくと、後から助けを求めやすくなります。

介護の備えは「完璧」より「今より少し整える」でよい

親の介護に備えるというと、何もかも決めておかなければいけないように感じるかもしれません。ですが実際には、暮らしの様子を知る、医療情報をまとめる、相談先を知るといった小さな準備の積み重ねが、いざというときの大きな支えになります。

介護だけでなく、実家のことやお金、家族の話し合いも含めて全体を整理したい方は、親の老後が心配になったら最初に読む記事|実家・介護・お金・家族の備えをやさしく整理 もあわせて読むと、次に考えるべきことが見えやすくなります。

まだ元気だからこそ話せることもありますし、まだ困っていないからこそ落ち着いて確認できることもあります。全部を完璧に整えようとしなくて大丈夫です。まずは今日、ひとつだけでも確認してみる。そのくらいの始め方で、十分立派な備えになるはずです。