人数、長さ、金額など、数量を表す数字のあとに「弱」や「強」をつける場合には、ちゃんとした決まりがあります。
なんとなく「弱」や「強」をつけているわけではありません。
1メートルよりは短いけど少し短いだけなら、1メートル弱といいます。
1メートルよりは長いけど少し長いだけなら、1メートル強といいます。
なぜそういうのか?これさえ分かれば、「弱」と「強」の使い方に悩むことはなくなります。
数字につける「弱」「強」の意味と正しい使い方
「弱」は
(数量を表す語について)数量が示した数値より少し少ないこと、また示した数値が端数を切り上げたものであることを表します。
ですから、「〇〇弱」とは「〇〇」の数より少ないが、少し少ないだけ、ということを表しています。
「強」とは、
(数量を表す語について)数量が示した数値より少し多いこと、また示した数値が端数を切り捨てたものであることを表します
ですから、「〇〇強」とは「〇〇」の数より多いが、少し多いだけ、ということを表しています。
これで「弱」「強」の意味と使い方がわかりました。
でも、端数を切り上げたり、切り捨てたりするのはわかっても、どこを端数にするのかは決まっているわけではないです。
端数とは「数を、ある単位で切った場合の、あまりの数」のことです。
どの単位で数値を切るかによって「〇〇弱」「〇〇強」の「〇〇」の数値は変わってくるということです。
「〇〇弱」「〇〇強」の使用例
ある会場の入場者数が1,568人でした。
この人数を「弱」「強」をつかって表すとこうなります。
①入場者数を10の単位で切れば端数は8人となります。
この8人を切り上げて人数を表すときは、
1,570人弱といいます(実際の人数は1,570人より少し少ないです、という意味になります)
この8人を切り捨てて人数を表すときは、
1,560人強といいます(実際の人数は1,560人より少し多いです、という意味になります)。
実際の人数が1568人の場合、
1,570人弱、は8人を切り上げた場合の表現
1,560人強、は8人を切り捨てた場合の表現
②入場者数を100の単位で切れば端数は68人となります。
この68人を切り上げて人数を表すときは、
1,600人弱といいます(実際の人数は1,600人より少し少ないです、という意味になります)。
この68人を切り捨てて人数を表すときは、
1,500人強といいます(実際の人数は1,500人より少し多いです、という意味になります)。
実際の人数が1,568人の場合、
1,600人弱は、(68人を切り上げた場合の表現)
1,500人強は、(68人を切り捨てた場合の表現)
ただ、68人を「少し」と感じるかどうかは人によりけりです。
1,568人を「弱」「強」をつかっていい表す場合、数値をどの単位で切るかによって、
1,570人弱、1,580人強 1,560人強
1,600人弱、1,500人強
と、4種類のいい方ができます。
あと、入場者数を1,000の単位で表すこともできますが、その場合、端数は568人ですから入場者数は、
2,000人弱(568人を切り上げた)
1,000人強(568人を切り捨てた)
と表現できます。
でも、1,000人の単位で区切ろうとすれば、端数を切り上げるか、切り捨てるか、大いに迷ってしまいます。
結局は、単位の切り方が適切ではなかったということです。
整理すると、
数量を表す語を、ある単位で切って端数を処理する場合は、「弱」や「強」を利用します。
「〇〇弱」とすれば、「〇〇」の数より少ないが少し少ないだけだ、と伝わります。
「〇〇強」とすれば、「〇〇」の数より多いが、少し多いだけ、と伝わります。
また単に、おおよその数をいうときには「弱」「強」ではなく、「〇〇ほど」「〇〇程度」「〇〇くらい」といいます。
「〇〇」に入る数は、伝える側の推測にゆだねられています。
当然「〇〇弱」「〇〇強」にくらべたら、数値の信頼性は劣ります。
「弱」と「強」のつかい分けはどうする
私の場合「弱」と「強」のつかい分けは、処理する端数の数値によって決めます。
四捨五入と同じで、処理する端数が大きければ切り上げて「〇〇弱」とし、端数が小さければ切り捨てて「〇〇強」とします。
たとえば、ある数を100の位で切った場合に生じる端数は、1~99のいずれかになります。
端数が、50~99に入る数値なら切り上げて「弱」をつけます。
端数が、1~49に入る数値なら切り捨てて「強」をつけます。
「〇〇弱」「〇〇強」を使うときは、数値は適切な単位で切る
15,680円という金額の場合、10,000円の単位で言い表わそうと思い、
20,000円弱(5,680円を切り上げる)
10,000円強(5,680円を切り捨てる)
という人はあまりいないと思います。
「弱」「強」をつける場合の「少し少ない」「少し多い」という決まりからはずれると思うからです。
しかし、15,680円を1,000円の単位で言い表わそうとすれば、
16,000円弱(680円を切り上げる)
15,000円強(680円を切り捨てる)
680円を「少し」と思う人なら、これでいいでしょう。
15.680円を、100円の単位で言い表わすなら、
15,700円弱(80円を切り上げる)
15,600円強(80円を切り捨てる)
これならもっとわかりやすいですよね。
どの単位で切るかによって、伝わり方も違ってきます。
まとめ
「〇〇弱」は「〇〇」より少し小さい
「〇〇強」は「〇〇」より少し大きい
ということなのですが、「少し」の部分には決まった数値が入るわけではなく、人によってその感覚は違うものです。
数字に「弱」や「強」をつけるときは、どの単位で切るのが適切なのかよく考えたいものです。
コメント
1,568人–>
1,570人弱(8人を切り上げた}
1,560人強(8人を切り捨てた)
1,600人弱(68人を切り上げた)
1,500人強(68人を切り捨てた)
1,570人弱、1,580人強 !*****変じゃないですか
1,600人弱、1,500人強
2,000人弱(568人を切り上げた)
1,000人強(568人を切り捨てた)
まっちゃん さん
この度は、間違いのご指摘ありがとうございました。
早速1,580人強を、1,560人強に訂正いたしました。
間違いに気づかせていただき有難うございました。
これからも何かありましたらご連絡下さい。
ありがとうございました。
管理人