「標記の件」と「表記」の違いを正しく理解し、ビジネス文書で使いこなそう

ビジネスメールや文書作成において、「標記の件」という表現を目にすることが多いですが、「表記」との違いを正確に理解していないと誤用してしまうことがあります。

本記事では、「標記の件」と「表記」の意味や使い方の違いを詳しく解説し、実際のビジネスシーンで役立つ具体的な例文や言い換え表現を紹介します。

「標記の件」とは？

「標記の件」とは、文書やメールのタイトル（件名）を指し、本文でその件について言及するときに用いる表現です。「標記」には以下のような意味があります。

ビジネスシーンでは、主に2つ目の「標題」としての意味で使われることが多く、文書やメールの件名に関する内容を簡潔に示す際に活用されます。

【例文】

「標記の件」は、文書のタイトルやメールの件名を省略するため、簡潔な表現が求められるビジネス文書で便利ですが、場面によっては適さないこともあります。

「標記」と混同されやすい「表記」ですが、意味が異なります。

用語	意味	具体的な例
標記	文書やメールの件名・標題を示す	標記の件について、詳細をお知らせします。
表記	文字や記号を使って書き表すこと	名前のローマ字表記を記入してください。

「表記」は、文字を使って情報を伝える行為全般を指します。たとえば、

などの使い方があります。「標記」が文書やメールのタイトルを示す表現なのに対し、「表記」は内容を文字で明示することを意味します。

【表記の使用例】

「標記の件」は、ビジネスメールや会議、レポートの文中で件名を簡潔に示す際に使われます。

件名：次回の会議について
本文：標記の件につきまして、来週の月曜日に開催予定です。

標記の件について、まず議題の確認をさせていただきます。

標記の件については、次のスライドで詳しく説明します。

注意点:

ビジネスシーンでより適切な表現を使い分けるために、「標記の件」の言い換え表現も知っておくと便利です。

言い換え表現	使用例
表題の件	表題の件について、ご確認をお願いいたします。
掲題の件	掲題の件につきまして、追加の資料をお送りします。
上記の件	上記の件に関しまして、ご回答をお願いします。
下記の件	下記の件について、ご確認のほどよろしくお願いいたします。
ご記載の件	ご記載の件につきまして、詳細を検討いたしました。
主題の件	主題の件に関しまして、意見をお聞かせください。