「ご検討いただけますと幸いです」とは、「ご検討をお願いします」ということ。
しかし、「ご検討をお願いします」では言葉がストレートすぎるので、敬語表現を使い「ご検討いただけますと幸いです」としたのです。相手に対する敬意を示し、こちらからのお願いを柔らかく伝えることができます。
この記事では、「ご検討いただけますと幸いです」の意味や敬語の種類、ビジネスシーンにふさわしい使い方、ビジネスメールでの使用例、注意点を詳しくご紹介します。
「ご検討いただけますと幸いです」の意味とは?
「ご検討いただけますと幸いです」とは、ある物事をいろいろな面から十分に調べ、よいかどうかを考えてもらうための表現です。一般的に、こちらの見解や提案を伝え、次の行動を促す際に使われます。
- ご検討 =十分調べ、よいかどうか考えるてもらう
- ~いただけますと = 「〜してもらえると」の意味の敬語
- 幸いです= 嬉しいですの意味
「ご検討いただけますと幸いです」という表現を文字どおりに訳せば、「この件を十分調べていただき、よいかどうか考えていただけることは私にとってとても喜ばしいことです」という意味になります。
この言葉の背後には、日本文化に根差した敬意の精神が感じられます。意見や提案を押しつけるのではなく、相手の判断に委ねるという姿勢をみせることで、円滑なコミュニケーションを実現することができます。
「ご検討いただけますと幸いです 」を使った例文
新しいプロジェクトの提案
新しいマーケティングプロジェクトの提案書を添付しました。ご検討いただけますと幸いです。
テレワークポリシーの導入提案
最近のワークライフバランスのトレンドに基づき、テレワークポリシーの導入を提案いたします。ご検討いただけますと幸いです。
予算案の承認要求
来期の予算案をまとめ上げました。詳細については添付資料をご覧ください。ご検討いただけますと幸いです。
会議のスケジュール調整
次回のプロジェクト会議の日程について、いくつかの候補を提示します。ご検討いただけますと幸いです。
新規顧客対策の提案
新規顧客獲得のための戦略に関する提案書を作成しました。ご検討いただけますと幸いです。
製品開発プランの提出
“次世代製品の開発計画案を策定しました。詳細は添付資料をご参照ください。ご検討いただけますと幸いです。
人材配置の見直し提案
効率化を図るため、現行の人材配置の見直しを提案します。ご検討いただけますと幸いです。
「ご検討いただけますと幸いです 」の類語・言い換え
「ご検討いただけますと幸いです」という表現の類語や言い換え表現には以下のようなものがあります:
- 「ご考慮いただけますと幸いです」
- 「ご検討いただければありがたいです」
- 「ご検討のほど、よろしくお願いいたします」
- 「ご覧いただき、検討していただければ幸いです」
- 「ご一考いただければ幸いです」
- 「ご検討くださいますと幸いです」
- 「ご検討の上、お返事いただければと思います」
これらの表現はすべて、相手に自分の提案や要求を考慮してもらうことを、丁寧にお願いする際に用いることができます。
ビジネスシーンにおいては、次のように使われています。
類語・言い換え表現を使った例文
ご考慮いただけますと幸いです
新しいオフィスレイアウトの提案を添付いたしました。オペレーションの効率化に寄与する内容となっておりますの、ご考慮いただけますと幸いです。
ご検討いただければありがたいです
来月の予算案に関して、いくつかの修正を加えました。貴社の事業目標に合致するかどうか、ご検討いただければありがたいです。
ご検討のほど、よろしくお願いいたします
製品改良に向けたフィードバックを送付いたします。お忙しいところ恐縮ですが、ご検討のほど、よろしくお願いいたします。
ご覧いただき、検討していただければ幸いです
今回のプロジェクトに関連する市場調査の結果を送付します。ご覧いただき、今後の戦略策定においてご検討していただければ幸いです。
ご一考いただければ幸いです
次期プロジェクトリーダー候補として、田中様の名前を挙げさせていただきました。ご一考いただければ幸いです。
ご検討くださいますと幸いです
部署間でのコミュニケーション改善に関する提案をさせていただきました。ご検討くださいますと幸いです。
ご検討くださいますと幸いです
部署間でのコミュニケーション改善に関する提案をさせていただきました。ご検討くださいますと幸いです。
ご検討の上、お返事いただければと思います
パートナーシップ契約に関する更新事項を添付しました。ご検討の上、お返事いただければと思います。
「ご検討いただけますと幸いです 」を使うタイミングと注意点
「ご検討いただけますと幸いです」というフレーズは、ビジネスコミュニケーションにおいて謙虚ながらも積極的な姿勢を示したい時に適しています。このフレーズを使うべきタイミングと注意点は以下の通りです。
- タイミング
- 提案や要望を相手に伝えた後、相手にその提案や要望を検討してもらいたい時。
- 決断や返答を急がせるのではなく、相手に十分考える時間を与えたい場合。
- 注意点
このフレーズを使う際には、相手に対する敬意と配慮を持って、相手が提案や要望を十分に検討できるような環境を整えることが大切です。
「ご検討いただけますと幸いです 」を使ったビジネスメール例
以下に、「ご検討いただけますと幸いです」を使用したビジネスメールの例文をいくつか提案いたします。
1.新製品の提案
件名: 新製品「XYZ」の提案について
〇〇株式会社
〇〇様
いつも大変お世話になっております。〇〇(あなたの会社名)の〇〇(あなたの名前)です。
この度は、当社が開発した新製品「XYZ」について、貴社にご提案させていただきたくメールを送信いたしました。詳細につきましては、添付の資料をご覧ください。
貴社のビジネスにおいて有益と存じますので、ご検討いただけますと幸いです。
何卒よろしくお願い申し上げます。
2.会議の日程調整
件名: 来週のプロジェクト会議について
〇〇部門の皆様
来週のプロジェクト会議の日程について、以下の三つの候補をご提案いたします。
・3月1日(月)10:00~12:00
・3月2日(火)13:00~15:00
・3月3日(水)14:00~16:00
各自のスケジュールを確認の上、ご都合のよい日時をお知らせいただけますと幸いです。
ご検討のほど、よろしくお願い申し上げます。
3.予算案の承認要求
件名: 2024年度予算案のご確認お願いします
〇〇部長
お忙しい中、失礼いたします。〇〇(あなたの部署名)の〇〇(あなたの名前)です。
添付にて、2024年度の予算案を送付いたします。詳細につきましては、資料をご覧ください。
ご多忙のところ恐縮ですが、ご検討いただけますと幸いです。
お手数をおかけいたしますが、ご確認のほどよろしくお願い申し上げます。
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まとめ
「ご検討いただけますと幸いです」とは、ある物事をいろいろな面から十分に調べ、よいかどうかを考えてもらうための表現です。
ビジネスコミュニケーションにおいては、謙虚ながらも積極的な姿勢を示したい時に適しており、この言葉を用いることによって、あなたの配慮や敬意を他者に伝えることが可能です。
この言いまわしは、メールの文末・結び・締めとして使われます。また、より丁寧にするためには後ろに「よろしくお願い申し上げます」を付けるとよいでしょう。
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