封筒の宛名に、御中と様の両方を書いてもいいのではないかと考える人がいます。
会社名には「御中」をつけて敬意を払い、
個人名にも「様」をつけて敬意を払うのだから、よりていねいな書き方になってよいのではないかと思ってしまうんでしょう。
でも、それはしてはいけないことですから、書いた人の常識が疑われてしまいますよ。
宛名に御中と様の両方を書いてはいけな理由
宛名に使う敬称は、その郵便物の受取人に対してつけるものです。
ですから、
〇〇株式会社 営業部 御中
山田一郎 様
としてしまうと、この郵便物は、
- 一人は、〇〇株式会社 営業部の誰かさん
- もう一人は、営業部の山田一郎さん
この二人を受取人にしたことになります。
営業部の誰かさんが開封して中を読んでもいいわけです。
山田さん以外に読まれて困る内容だったなら、責任問題になるかも・・・ア~怖い怖い。
とはいえ、実際には山田一郎さん以外の人が開封することはないと思います。
なぜなら、「この差出人は、御中の意味を知らないなぁ・・・」とバカにされるだけですみますから。
「敬称」というものは、最終的に手紙を読んでもらいたい人だけにつけるものです。
個人名を書き加える時の正しい書き方
今回の例でいえば、「〇〇株式会社の営業部にいる山田一郎さん」に宛た手紙なんですから、
〇〇株式会社 営業部
山田一郎 様
とするのが、正しい宛名書きになります。
「〇〇株式会社 営業部」は山田一郎さんがいる場所を示す、住所の一部分であると考えるべきなんです。
そう考えれば、
〇〇株式会社 営業部 御中
山田一郎 様
と書くことは
東京都渋谷区渋谷1丁目1番地 御中
山田一郎 様
と書いているのと、やってることは同じなんです。
封筒の宛名に、御中と様を併用するのは、いかにも変だということがわかりますよね。
受け取る人が、〇〇株式会社の営業部にいる誰でもよければ、
〇〇株式会社 営業部 御中
とします。
しかし、営業部にいる山田一郎さんを受取人にしたいのなら、
〇〇株式会社 営業部
山田一郎 様
にしないといけません。
御中と様の両方を書くよう指示されたら
困ったことに、御中と様を併用する人たちがいることも事実です。
あなたは会社で、上司や先輩から御中と様の併用を指示されて困ることありませんか
「御中をつけないのは、先方の会社に対して失礼になる」なんてしたり顔で指導されたんでは、本当に困ってしまいます。
上司、先輩に対して間違いを正すのも、気が引けますし、面倒です。
いったところで納得なんてするはずないですよね。
ですから、会社の名前で送るなら、よほどの愛社精神がない限り、「ハイ、ハイ」と聞いておきましょう。
どうせ笑われるのは会社なんですから。
ただし、あなたの名前で送るときは、あなたの名誉のためにも、こっそり「御中」は使わず「様」だけをつけて送りましょう。
御中と様は使い分けるものです
御中は、郵便物などで、宛名が個人名でないときに、宛名の下に添える語ですから、
会社、官公庁、団体、組織などには御中をつけます。
それに対して、
様は、個人名の下に添えて、敬意を表す語です。
御中と様は次のように使い分けます。
・〇〇株式会社 御中
・〇〇株式会社 営業部 御中
・〇〇市役所 市民課 御中
・〇〇商工会議所 御中
・山田一郎 様
くどいようですが、
宛名が個人名でなければ、御中をつけ、
宛名が個人名であれば、様をつけます。
いずれにしても、郵便物の最終的な受取人に対して、御中あるいは様をつけます。
会社名に御中をつけない時とは
御中は、郵便物などで、宛名が個人名でないときに、宛名の下に添える語ですから、手紙やメールなどを出すときのの宛名を会社名にするときにだけ「御中」を使います。
実際、会話の中で相手の会社名を出す場合は「〇〇株式会社様(さん)には大変お世話になっております」と挨拶しますよね。
「〇〇株式会社御中には大変お世話になっております」なんて絶対に言いません。
銀行の窓口でも「〇〇株式会社様、お待たせしました」とはいわれても、
「〇〇株式会社御中 お待たせしました」なんて絶対にいわれません。
御中は、郵便物などで、宛名が個人名でないときに、宛名の下に添える語だと覚えましょう。
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